インプラントができない人の条件と事前処置で治療を目指せるケース|東京都江東区亀戸の歯医者|医療法人社団義萌会 なぎ歯科クリニック亀戸・マウスピース矯正

〒136-0071 東京都江東区亀戸2-23-11 KK-TOWER 2階

クリニックブログ BLOG

インプラントができない人の条件と事前処置で治療を目指せるケース

インプラントができない人の条件と事前処置で治療を目指せるケース

持病や骨の少なさがあっても、事前処置で治療を検討できる場合があります


インプラントが難しいとされる条件には、治療を見合わせるケースと、前もっての管理や処置によって検討できるようになるケースの2つがあります。 糖尿病やタバコを吸う習慣、顎の骨が少ないことを理由にためらっている場合でも、検査の結果や内科との連携しだいで、選べる道が残ることは珍しくありません。この記事では、体とお口の条件ごとの判断の目安、骨を補う処置や歯周病の治療を含めた通院の流れ、ブリッジや入れ歯との違いを整理し、納得して相談するための知識をまとめました。


この記事の要点まとめ


  • 持病や喫煙、歯周病、骨量を調べ、治療を個別に検討します。
  • CTや主治医との連携で状態を確認し、血糖管理や禁煙、歯周病治療、骨造成を段階的に進める場合があります。
  • 期間や費用、治療後の手入れを把握し、ブリッジや入れ歯も含めて相談します。


インプラントができない人の条件は「見合わせる」と「整えれば検討できる」に分かれる

インプラントができない人の条件は「見合わせる」と「整えれば検討できる」に分かれる

インプラント治療の可否は、目の前の抜けた歯の部分だけを見るのではなく、お口全体と全身の状態を総合して判断されます。条件に当てはまるからといって一律に対象外となるわけではなく、「現時点では外科処置を見合わせる状態」と「環境を整えれば検討できる状態」に分けて考えることが出発点になります。


糖尿病は病名ではなく血糖管理の状態と主治医の見解で判断が変わる


糖尿病がある場合でも、病名だけで治療ができないと決まるわけではありません。判断の軸になるのは、HbA1cなどの検査数値の推移や合併症の有無、現在使っているお薬の内容であり、内科の主治医と連携して個別に確認していきます。


血糖の状態は手術のあとの経過にも関わるため、数値だけで機械的に線引きせず、主治医の見解とあわせて全身の状態を確かめます。そのほか、全身の条件として慎重な判断や見合わせが必要になるのは次のようなケースです。


  • 高血圧や心臓の病気:血圧や心臓の状態が落ち着いているかを、かかりつけのお医者さんと確かめます。
  • 骨粗しょう症のお薬:骨が減るのをおさえる飲み薬や注射を使っている方は、手術のあとに顎の骨が壊死する(顎骨壊死)ことがあります。まれな合併症で、お薬の種類や量、使っている期間などによって起こりやすさが変わります。日本では原則としてお薬を休まない方向が示されており、休むかどうかは処方したお医者さんと歯科医師が相談して決めるため、自分の判断でやめないようにしてください。
  • 腎臓の病気・透析:感染への対策や血の止まりやすさ、使えるお薬について、内科と前もってよく話し合います。
  • 妊娠中・成長期のお子様:お薬や手術の負担、顎の骨の育ち方への影響から、時期をずらすか別の方法を選びます。

喫煙と歯周病が重なると、治療後の炎症が起こりやすくなる理由


喫煙習慣と歯周病は、どちらもインプラントを支える歯ぐきや骨の健康に直結するため、治療を始める前に優先して整える項目です。タバコを吸うと、ニコチンの働きで歯ぐきの細い血管が縮み、流れる血の量や届く酸素が減ってしまいます1。


また、インプラント周囲炎(人工歯根の周りの骨が溶ける病気)と関わりのある要因として、歯周病、糖尿病、喫煙、飲酒の習慣が挙げられています2。喫煙・歯周病・糖尿病の3つが重なると炎症のリスクが積み重なるため、禁煙に取り組む時期を決め、むし歯や歯周病の治療で口腔内の細菌を減らしてから手術に進む流れが基本です。あわせて、強い歯ぎしりや食いしばりがある場合は、人工歯根に過度な力がかかり続けるため、就寝時にマウスピース(ナイトガード)を使うなどの対策を組み合わせます。


顎の骨量不足は歯科用CTで高さ・幅・位置を測り、骨造成の方法を選ぶ


「顎の骨が少ない」と言われたときは、平らな写真のレントゲンだけでなく、歯科用CTで骨の高さや幅、厚みを立体的にはかります。神経や血管、上顎洞(鼻の横にある空洞)までの距離も確かめることで、どんな対策がとれるかを考えられます。骨が足りない場所や量に合わせて選ばれるのが、骨造成(骨を補う処置)です。


代表的な方法には、骨を増やしたい部分に薄い膜を置き、歯ぐきが入り込まない空間を保ちながら骨の再生をうながすGBR(骨誘導再生法)があります3。上の奥歯では、上顎洞の底の粘膜を持ち上げ、できたすき間に自分の骨や人工の骨を入れるサイナスリフトや、インプラント1本分だけ持ち上げるソケットリフトもあります3。抜歯した直後に骨が減るのを抑える処置(歯槽堤保存術)を行ってから期間を置いて埋め込むか、抜歯と同時に埋め込むかといった選択も、骨の残り方によって検討されます4。骨の不足量が少なければインプラントを埋め込む手術と同時に骨造成を行えることもありますが5、不足量が大きい場合は先に骨を作って数か月の治癒を待つため、全体の治療期間が長くなる点が制約となります。


よくある誤解:「一度断られたら終わり」でも「準備すれば誰でもできる」でもない


一度「難しい」と説明を受けると、どこの歯科医院でも同じだと諦めてしまう方がいますが、以前の説明が歯科用CTなどの精密検査に基づくものだったかは確かめてみる価値があります。歯科医院ごとに備えている検査機器や、骨造成・医科連携への対応範囲が異なるため、詳しく調べ直すことで選択肢が見つかるケースもあります。


反対に、「骨造成や禁煙をすれば誰でも治療できる」と期待しすぎるのも現実的ではありません。骨を補う処置を行っても必要な厚みが得られにくい場合や5、全身の病状が安定せず外科処置の負担が利点を上回る場合には、身体への負担を考えてインプラントを見送る判断になります。結果ありきで進めるのではなく、検査を通じて「自分の場合はどこまで整えられるか」を冷静に確認する姿勢が大切です。


ポイント

持病や骨量不足があっても一律に対象外とはなりませんが、全身の管理状態や骨の条件によっては見合わせる判断になることもあるため、歯科用CT検査と医科連携による個別の評価が欠かせません。


事前処置を含めた治療の流れと、ブリッジ・入れ歯との違いを整理して相談する

事前処置を含めた治療の流れと、ブリッジ・入れ歯との違いを整理して相談する

事前処置を経てインプラントを目指す場合は、すぐ手術に入るわけではなく、全身とお口の環境を順番に整えていきます。治療期間や費用の見通しを立てたうえで、ブリッジや入れ歯といった他の方法との違いを見ながら、お仕事や日常生活の中で無理なく続けられる方法を選んでいきます。


整える順番と通院の段階:血糖管理・禁煙から人工歯の装着まで


複数の条件が重なっている場合、身体への負担と感染リスクを抑えるために、次の順番で段階を踏んで進めます。


1. 内科での体の確認と禁煙:かかりつけのお医者さんに問い合わせて、血糖の状態や飲んでいるお薬を確かめます。同じ時期に禁煙も始めます。

2. 歯周病・むし歯の治療:お口の中の細菌を減らし、歯ぐきの炎症が落ち着いた状態をつくります。

3. 骨造成(必要な場合):骨の不足が大きいときは先に骨を補う処置を行い、数か月ほど骨がなじむのを待ちます。

4. インプラントを埋め込む手術と治るまでの期間:人工歯根を埋め込み、骨とくっつくまで数か月待ちます(骨造成を同時に行う場合もあります)。

5. 仮歯での調整と人工歯の装着:噛み合わせや磨きやすさを確かめてから、最後の被せ物を付けます。

6. 定期的なメンテナンス:治療後の炎症を防ぐため、続けて確認と専門的なお掃除に通います。


事前処置や事前の骨造成が加わると、人工歯が入るまでに半年から1年以上の期間がかかることもあります。営業職などで平日の予定が変わりやすい方は、「どの段階で何回くらいの通院が必要か」「1回の処置に何分かかるか」をあらかじめ確認しておくと、お仕事のスケジュールと両立しやすくなります。


骨造成が加わる場合に見積もりで確かめたい費用の内訳


インプラント治療は公的医療保険が適用されない自由診療であり、事前の骨造成が必要になるとその分の費用が加算されます。一般的な費用相場としては、インプラント1本あたり約30万〜50万円程度が目安です。骨造成を追加する場合は、処置の方法や範囲によって約5万〜30万円程度が目安となります(記載した金額は一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関や処置内容により異なります)。


相談時に見積もりを確認する際は、総額だけでなく「どこまでの項目が含まれているか」を確かめておくと見通しが立てやすくなります。具体的には、歯科用CTなどの精密検査料、骨造成の処置料、インプラント本体と埋入手術料が含まれているかを確かめます。あわせて、仮歯の費用、最終的な上部構造(被せ物)、術後のお薬代、装着後の定期管理料がそれぞれ含まれているか、別途かかるのかを確認してください。


なお、自由診療であっても機能回復を目的としたインプラントや骨造成の費用は、確定申告で医療費控除の対象になり得ます。初期費用だけでなく、隣の健康な歯を削らずに済むことや、将来やり直しになった際の負担も含めて見比べる視点が役立ちます。


インプラント・ブリッジ・入れ歯・歯を残す治療の違い:隣の歯への影響と治療後の管理


骨造成などの追加処置を重ねても適応が難しい場合や、外科処置・治療期間の負担を避けたい場合もあります。そのときは、ブリッジや部分入れ歯、あるいは抜歯せざるを得ないと思われた歯をできる限り保存する治療(精密な根管治療など)を含めて検討します。歯を失った後の代表的な3つの方法には、次のような違いがあります。


確認項目インプラント(自由診療)ブリッジ(保険診療・自由診療)部分入れ歯(保険診療・自由診療)
隣の歯への影響周囲の歯を削らずに独立して支える両隣の歯を削って土台にするバネをかける歯に揺さぶる力がかかる
噛み心地と見た目骨で支えるため違和感が少ないと感じる方が多い固定式で違和感は少ないが土台に負担粘膜で支えるため噛む力や装着感に差が出る
治療期間の目安数か月〜1年以上(骨造成の有無による)数週間〜数か月程度数週間〜数か月程度
治療後の管理周囲炎を防ぐための定期管理と清掃が必須土台の歯と橋渡し部分の清掃が必要毎日の取り外し洗浄とバネの調整が必要

保険診療でブリッジや白い被せ物(CAD/CAM冠など)を選ぶ場合は、使える歯の位置などに国の決まりがあります。この決まりは診療報酬の改定でたびたび変わっているため、今の条件は相談時に歯科医院で確かめておきましょう。一方で自由診療のインプラントは、周囲の歯を削らずに噛む機能を補える反面、外科手術に伴う腫れ・痛み・出血・神経や血管の損傷といったリスクがあります。また、装着後はインプラント周囲炎を防ぐための継続的なメンテナンスが求められるため2、こうした点を理解して選ぶ必要があります。必要以上に歯を削らないこと、見た目と噛みやすさのバランス、そしてご自身が将来にわたって手入れを続けやすいかどうかが、方法を選ぶうえでの判断軸になります。


江東区で相談する前に用意したい服薬情報・検査結果と確認したい質問


別の歯科医院で「難しいかもしれない」と言われた後に改めて相談を受ける際は、現在のお身体とお口の情報をまとめて持参すると、具体的な話が進みやすくなります。


  • 持参すると役立つもの:お薬手帳、内科の直近の血液検査結果(HbA1cや血圧の記録など)、もし手元にあれば前医で撮影したレントゲンやCT画像の写し、これまでの治療経過のメモ。
  • 相談時に確認したい質問例:「自分の骨はどの部位がどのくらい不足しているか」「インプラントの前にどんな処置が必要で、期間と費用はどのくらい変わるか」。適応が難しい場合に備えて、「隣の歯に負担の少ない代わりの方法は何か」も聞いておきましょう。

江東区で通勤途中や土曜・日曜にも通える相談先をお探しの際も、こうした準備をしておくと、1回の受診で得られる情報量が多くなります。JR中央・総武緩行線の亀戸駅北口から徒歩約3分にある歯科医院など、ご自身の生活動線に合う場所を選ぶのもひとつの方法です。まずは歯科用CTや口腔内スキャナーによる立体的な検査を受け、画像を見ながら現在の状態と選択肢について相談してみてはいかがでしょうか。


ポイント

受診のときはお薬手帳や血液検査の結果を持っていきましょう。前もって行う処置をふくめた通院の流れや費用の内わけ、ほかの治療法との違いを並べて確かめると、ご自身の暮らしに合った方法を選びやすくなります。


よくある質問


Q1. インプラントができないと言われた場合、どうすればいいですか?


まずは「なぜ難しいと判断されたのか」の理由を確認することが大切です。顎の骨量不足が理由であれば骨造成で対応できる場合があり、糖尿病や歯周病が理由であれば、内科での血糖管理や歯科での歯周病治療を先に行うことで検討できるようになるケースもあります25。お薬手帳や血液検査の結果を持参し、歯科用CTを備えた歯科医院で改めて検査を受け、それでも難しい場合は隣の歯への負担に配慮したブリッジや入れ歯などの選択肢を相談しましょう。


Q2. インプラント治療費が60万円かかった場合、医療費控除はいくらになりますか?


医療費控除では、1年間に払った医療費の合計から、保険金などで補われたお金と10万円(所得の合計が200万円未満の方は、その5%)を引いた額が、差し引ける金額になります。たとえば、ほかの医療費がなく60万円を払った場合、差し引ける金額は50万円です。これに所得税の税率をかけた額が戻ってくるお金の目安で、さらに次の年の住民税からは、その50万円の10%ぶんが減ります。


実際に戻るお金や減る税金は、ご自身の課税所得によって変わります。領収書をとっておき、税務署や国税庁の案内で確かめてください。


Q3. インプラントは老後に大変ですか?


インプラントは治療後も、周りの歯ぐきや骨に炎症(インプラント周囲炎)が起きないよう、毎日の歯みがきと定期的なメンテナンスを続けることが前提になります。そのため、年齢を重ねてご自身での細かい歯みがきや通院が難しくなると、周囲の炎症が進みやすくなる点に注意が必要です。将来を見据えて、汚れが溜まりにくく清掃しやすい形の被せ物を選ぶことや、ご家族の協力・訪問診療の活用も含めて長期的な管理方法を相談しておくことが、長く使い続けるための備えになります。


Q4. インプラントが向かない人の特徴は何ですか?


重度の全身疾患があり主治医から外科処置を控えるよう指示されている方、顎の骨が成長途中にある未成年の方、妊娠中の方は原則として対象外となります。また、禁煙が難しい方や、治療後の定期的なメンテナンス・毎日のていねいな歯みがきを続けにくい方も、慎重に考える必要があります。こうした方は治療後にインプラント周囲炎を起こすリスクが高まるため2、ブリッジや入れ歯など別の治療法が向いている場合があります。


参考文献


1. 禁煙がもたらすもの – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020. https://www.jda.or.jp/park/relation/nosmoking.html

2. Galarraga-Vinueza ME, Pagni S, Finkelman M et al. Prevalence, incidence, systemic, behavioral, and patient-related risk factors and indicators for peri-implant diseases: An AO/AAP systematic review and meta-analysis. Journal of periodontology. 2025. PMID: 40489307 / DOI: 10.1002/JPER.24-0154

3. インプラント – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020. https://www.jda.or.jp/park/lose/index19.html

4. Yu X, Teng F, Zhao A et al. EFFECTS OF POST-EXTRACTION ALVEOLAR RIDGE PRESERVATION VERSUS IMMEDIATE IMPLANT PLACEMENT: A SYSTEMATIC REVIEW AND META-ANALYSIS. The journal of evidence-based dental practice. 2022. PMID: 36162892 / DOI: 10.1016/j.jebdp.2022.101734

5. Calciolari E, Corbella S, Gkranias N et al. Efficacy of biomaterials for lateral bone augmentation performed with guided bone regeneration. A network meta-analysis. Periodontology 2000. 2023. PMID: 37752820 / DOI: 10.1111/prd.12531


杉本 義樹

歯科医師


なぎ歯科クリニック亀戸・マウスピース矯正

理事長

杉本 義樹

▶ 監修者プロフィール

経歴
2015年 広島大学歯学部 卒業
2016年 東京医科歯科大学歯学部付属病院 (現:東京科学大学病院 歯科(歯系診療部門))研修医修了
2017年 医療法人社団翔舞会 エムズ歯科クリニック 入社
2020年 医療法人社団翔舞会
エムズ歯科予防口腔ケアクリニック 院長就任
2022年 医療法人社団翔舞会 エムズ歯科クリニック 退社
2022年8月 なぎ歯科クリニック大島 開業
2026年10月 なぎ歯科クリニック亀戸・マウスピース矯正 開業予定
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会
日本顕微鏡歯科学会
CISJ
ENの会東京
SJCD東京